「鯨の谷」、太古テチス海の賜物
僕らを乗せた四駆は、ワディ・エル・ライヤンロードを南に向かった。道路の標識を右折し、鯨の谷へ向かうホエールズロードを走った。 エジプトの11月は暑くはないが、太陽の日差しは強烈。「鯨の谷」のレセプションを抜けると、巨大な断崖の間に広がる、ロープで区切られた散策路の伸びる谷が広がっていた。このエリアは、約4千万年前、遠浅のテチス海が広がっていた場所だ。 鯨の谷は、酸化した鉄分を含んだ砂を含むため、少しピンクがかった光彩を放っていた。断崖が風化や崩落して奇岩となり、あちらこちに化石となった「グジラ」の祖先たちや、太古の大木が無造作に展示されている。 太陽が真上から降り注ぐ中、僕らはトレッキングして楽しんだ。